Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
「ヘエ?」
「武家の髷を切る曲者のことだよ」
「ヘエ」
「此土手に住んでいるお前が、その曲者を見ない筈はないと思うが、どうだえ」
「ヘエ、――それらしいのを見ないわけじゃございませんが」
「それを聴き度かったんだ。その髷切りの曲者は、どんな野郎だ。若いか、年寄か、身扮は、――?」
「それを言うと、私は殺されるかもわかりませんが」
「えッ?」
乞食坊主の言葉はまことに予想外でした。
「でも、人助けのために思い切って申上げましょう。私はもう此処から引揚げて、もう少し収入のある四宿の何処かへ行き度いと思っておりますから」
「?」
「髷切りの曲者は、お武家でございますよ、――立派なお武家で、四十五六にもなりますか、背の低い、少し跛足ですが、恐ろしい体術でございます」
乞食坊主の鑑哲の言葉は恐ろしいほどはっきりして居りました。
「それは有難い、宜い話を聴いた、――八、跛足で背の低い体術の名人というのを君前は知って居るか」
「橋場に町道場を開いて居る俵右門先生そっくりじゃありませんか」
「フーム、評判の良い先生だな」
「あの人は髷なんか切りそうもありませんね」
「ところで――」
平次はまた乞食坊主の方に顔を向けました。