Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
二
「フーム」
「少し武家風かも知れないが、それはそれは良い娘でした。あの娘を嫌ったりして、罰の当った話じゃありませんか」
「若い男と女が、いっしょに育ったりすると、反って兄妹見たいな心持になってしまって、夫婦の情は湧かないものらしいな」
「いっこうつまらねえ話でしょう。伊豆屋の若旦那が土左衛門になったと聴いて、橋場まで行って見ましたが、三輪の親分が睨め廻しているから、諦めて返りましたよ。いちおう両国へ廻って、死骸も見ましたが、両国の水除けか橋桁でやられたようで、首のあたりにひどい打撲のあとがありましたが、たったそれだけでたいしたことはありませんよ」
八五郎の報告はたったそれだけ、何んの変哲もなく話を結びました。
二
「あの、お客様ですが」
平次の女房のお静は、障子を開けて、そっと取次ぐのです。
「どなただ?」
「あの、お名前は仰しゃいませんが、若いお嬢さんで」
「どれ、あっしが行って見ましょう」
若いお嬢さんと聴くと、八五郎は早くも立ち上がって、お静を掻いのけるように。入口へ顔を出すのです。
「あわてた野郎だ」
苦笑いする平次の前へ、八五郎はニヤニヤしながら戻って来ました。