Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
四
「そうも言えるな」
平次は黙って考え込みました。考えたところで、現場を見ない平次には、その考えを発展させる途もありません。
「まア、少しも召し上がらないじゃありませんか。八五郎さん」
お静はお勝手から覗いて、お銚子の具合を見ながら話の腰を折りました。話が面白かったので、銚子は一向にあきませんが、四辺はすっかり暗くなって、お静は諦めたように、コトコトと夕餉の支度をしております。
四
その夜戌刻(八時)過ぎ、明神下の平次の家を叩いた女が二人ありました。
「八五郎親分はいらっしゃるでしょうか。高輪から参りましたが」
「何んだ、お六じゃないか。たいそう改まってどうしたんだ。――まア入れ、ちょうど宜いところだ。お前に教えて貰った唄の文句だがね――」
取次ぎに出た八五郎は、少し酔ってはいましたが、この愛嬌者の唄の上手なお六が、昨夜のつづきの、流行唄の節廻しでも教えに来たような錯覚に溺れて、他愛他愛、猫じゃらしの振事になっておりました。
「それどころではありませんよ、親分」
「何んだえ、果し眼になると、お前でも飛んだ好い女だ」
「金杉の竹松親分が、とうとう与茂吉さんを縛ったんです。