Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
七
七
八五郎はこの報告を、銭形平次のところへ真っすぐに持って行きました。神田明神下の自宅に、平次が待っていたのです。
「へヘッ、親分え」
それはもう亥刻近い刻限でした。八五郎は目出たく酔っております。
「どうした、わけを話せ、あの晩兵二郎はどこへ行っていた、太之助が眼を廻した晩だよ」
平次は長火鉢の前に八五郎を迎えました。
「あっしはもう十手捕縄を返上してしまいますよ、親分」
「脅かすなよ、八。お前少し酔っているね」
「酔っていますよ、今日という今日、あっしはこんな好い日に生れたとは気が付きませんでした」
「何を言うんだ」
「実はね、あの晩兵二郎は砂土原町の伊勢屋の後家のところへ行っていましたよ。あの後家は家作持で、何千両という身上だ」
「それがどうした」
「兵二郎に入られるのを妬んだ野郎が、兵二郎を殺したに違いありません」
「同じことなら、手軽な後家を殺しそうなものじゃないか、兵二郎などと言う男は殺しても容易に死にきれる男じゃない」
八五郎の推理はあまりに当然ですが、平次の推理もひとかどのものはあります。
「そればかりじゃありませんよ、お種の阿魔は、兵二郎の後釜はこの私でなきゃア――と言うんで、十手捕縄を放り出したくなるじゃありませんか」