Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
三
お琴は身体の軽い子だが、角兵衛獅子や軽業じゃありません、欄干の始めと終りにちょいと逆立ちをすれば、それで良かったんで、浅田屋の見付け役の宇吉も、それで承知していましたよ。浅田屋の主人の治平にすれば、娘が欄干に飛乗れば、それで良かったんで。あのきりょうで鯱鉾立ちでしょう、江戸中大騒ぎの見物でしたよ、大店の十七娘に、あれだけ恥を掻かせれば、浅田屋の治平は堪能したわけで」
「沢屋の方は?」
「通り一丁目に帰って見ると、奥の一と間で主人の三郎兵衛が死んでるじゃありませんか、それからが大騒動で」
「とにかく、行って見よう、放ってもおけない」
平次が先に立って、日本橋へ急ぎました。
三
平次は八五郎といっしょに通り一丁目の沢屋に着きました。主人が死んだ後で、煮えこぼれるような騒ぎです。
十手に物を言わせて、いきなり奥へ通ると、廊下の突き当りの部屋に、主人の死骸はそのままになっております。見たところ主人は六十前後の老体、病身でひ弱くて、見る影もない老人ですが、正面から胸のあたりを真っすぐに刺され、一とたまりもなく倒れたことでしょう。客の用意らしいものは、二枚の並べた座布団だけ。