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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

現場を一と通り調べた平次は、お勝手口のあたりを丁寧に見て廻り、今朝甲子松が開けたという雨戸を指摘させました。甲子松というのは、二十八とかで、逞ましい感じのする良い若い者で、客の立て込んだ時は、板前の仕事も引受けるという調法ものです。

「今朝、一番先に開けたのは、この雨戸です。すると、崖が一と眼で、崖の下に御主人が倒れているのまで、よく見えました」

ボソボソとした感じです。

「主人は前掛を被っていたそうだが、外に変ったことはなかったのか」

「前掛を取ると、口の中に生じめりの干物が一パイ詰めてありました」

「それは?」

「前の日お六どんが洗って、井戸端の盥の中に絞ったまま抛り込んであった、肌着類でした。お六どんは、ヒドく怖がって、すぐ洗い直しましたが」

「それから、刺身庖丁は」

「いつもお勝手に置いてある道具で、私もよく使いますが、切味の良い庖丁です。――その庖丁で喉笛を切られて、庖丁はそのまま、死体の側に捨ててありました」

「では、仏様を」

平次は井戸端をそれくらいにして、家の中へ入って、いちおう通夜の衆を退かせると、入棺してある仏様を調べました。

巴屋山三郎は、五十五六の、月代の光沢の良い、立派な中老人でした。