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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

って詰め寄ると、いきなり力任せにあっしを突き飛ばすじゃありませんか――背後は大川で後がねえ」

「お互いの姿は見えたのか。月はなかった筈だが」

「水明りで、結構相手の様子がわかりましたよ。川を後ろに背負っているんだから――その時、あっしは危ないと思って身をよけると、万兵衛親爺奴、突いて出た弾みに、もんどり打って大川へ飛込みましたよ、――相手は泳ぎが達者だと知っているから、少し涼ませるのも洒落ているだろうと、そのまま後ろも見ずに帰ってしまいました」

久治の話にはなんの巧みがあろうとも思われません。

「ところで、お前はあの辺へ時々行ったことがあるのか」

「飛んでもない、板倉屋の裏口ですよ。お萩ちゃんのことでも心配しなきゃ、あんなところへ行くものですか」

「木戸の内に物置があった筈だが――」

「あったかも知れませんね」

久治から訊くことはそれで全部でした。が、平次は何を思い出したか小戻りして、

「棟梁の佐太郎が生きているうち、板倉屋の仕事をしていたそうだが、何をやったんだ」

妙なことを訊くのでした。

「大きい方の土蔵の中に、なにかむずかしい普請をしていたそうです。親方一人で引受けて、あっしなんか覗いて見たこともありません。