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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

「まア、父さん、無事で」

飛付くように鑑哲に取りすがったのは、編笠茶屋のお妻でなくて誰であるものでしょう。

×          ×

それを見送って、真っ暗な道を山の宿の方へ辿り乍ら、

「変な捕物でしたが、あのお妻が乞食坊主の娘とは気が付きませんでしたよ」

八五郎は口を切ります。

「切った髷を拾ったのがお妻さ、――此間鑑哲とお妻の二人に訊いた時二人の見たという曲者の様子が、まるっきり違って居るので、こいつは臭いと思ったよ」

「釣竿で捕物は始めてですね」

「曲者はどうしても姿は見せないと言うから、編笠茶屋や空茶屋の屋根の上から、通りすがりの武家の髷を切るのだと解ったよ。それから継竿の一番先の細いのを用意して、太刀風と一緒に頭の上をかき廻したのさ」

「それにしても、親分も髷は無事じゃありませんか。付け髷でも用意したんですか」

「そんな間抜けたものを用意するものか。俺のは女房の銀簪をかりて、足を曲げて髷の中へ仕込んだよ。切られるとカチリと言ったが、毛は少し削げたかも知れない」

「成程そいつは気が付かなかった、――尤も気が付いても、こちとらには簪をかしてくれる女房もいないが」