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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

もないようで、私は階上へ上って欄干を渡るまで暫らくのあいだ眺めていました」

「その間、暫らく待たした事だろうな」

「いえ、ほんの四半時だけ、欄干渡りが済んでしばらくすると、私は階下へ降りて眺めました。お客様も部屋の中におりましたが、お茶を飲んだ切り、ろくな御注文もなさらず、そのまま帰ってしまいました。妙な方があったもので」

江戸にはこう言った不思議な客もあるのでしょう、女は大して気にもしていない様子です。昔のフランスには、死刑を見物するために、高い桟敷料を払う客もあったのですから、十七娘のお琴が、日本橋を渡るのに、見物人がない方が反って不思議なくらいです。

「八、お前は眼が良いだろう、――あの石垣の下に、手拭のようなものが浮いているようだ、ちょいと引揚げてくれないか」

そう言う平次の方がよほど眼が良かったのでしょう。

「待って下さい、親分」

飛び出した八五郎は、近所に掛け合って、やがて一隻の小舟を出しました。場所柄だけに竿と錨を用意して、石垣沿いにかなり漁っておりましたが、暫らくすると、水だらけになった手拭らしい物を一枚ぶら提げて部屋の中へ戻って来ました。