Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
「親分、私が飛び込みましょう」
八五郎は小さい声で張り切ります。
「用心しろ、相手は、日本橋から裏通りを選って、通り一丁目まで駆けて行く奴だ」
がしかし、八五郎も捕物には馴れておりました。玄関へ廻って、表戸を引っ叩くうちに、平次は早くも裏口から飛び込み、面喰っている女を一人沈黙させて、奥の部屋に飛び込んで、脱ぎ捨てた袷を一枚さらったのです。
忙しい中で見ると、袷は無双になって、地味な老人縞の万筋の裏が、黄色い田舎縞になっており、世の常の袷とはまったく違っていたのです。
表へ飛び出した浅田屋の治平は、八五郎の働きでその場で捉まった事は言うまでもありません。この男は思わぬ兇状持で、盗み溜めた金を資本に、高利の金をかし、表店の沢屋が羨ましくなって諸方へ手を廻して沢屋の証文を買い集め、一気に沢屋を乗取ろうとしていた事は言うまでもありません。通り一丁目の表店はその頃からして、人の命にも替えがたい貴重だったのです。
× ×
浅田屋は旧悪露見して処刑されました。浅田屋はどうして沢屋を殺す気になったか、八五郎の質問に平次はこう教えてやりました。