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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「それはお前のせいじゃないか」

「私の勝てるのは笛だけでございました、せめてその笛で」

喜三郎は絶句しました。涙を呑んでいる様子です。せめては笛だけでも、田舎者の兵二郎に勝とうとした、喜三郎の江戸っ子らしいせめてもの誇りだったのでしょう。

平次は黙ってこの調べに立ち会いました。朝吉の強さ鮮かさを、幾分、驚嘆する心持で眺めてばかりおります。

四

つづいて太之助が調べられました。これは雑穀屋の伜で喜三郎に比べると力もありそうですが、気の弱いのは救いようもありません。

「野郎白状しろ、ネタはみんな挙ったぞ」

朝吉は頭ごなしにやっつけました。

「私じゃありませんよ親分。あの日兵二郎が休みだったので、笛の上手な私が狩り出されました、白装束を見て目を廻しただけのことで、ヘエ」

いっこうに埒があきません。

「兵二郎の死んだ晩というと昨夜だ、昨夜はお前誰といっしょにいた、申訳が立たないとお前は下手人も同様だぞ」

「冗談言っちゃいけません、あの晩も昨夜も、私はお種の顔しか覚えちゃいませんよ」

「なんだお前もお種の講中か」

「ヘエ、どうも相済みません」

すべてがこの調子です。雑穀屋の息子は、経師屋の次男坊よりも頼りがありません。