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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

その一人が、伊豆屋の菊次郎であったことは言うまでもなく、これがまた、第一等の施主でもありました。葭簾張りの茶店に、いろいろの小旗をなびかせておりますが、奥は普通の家になって、そこにお銀と、茶汲女のお松という十八九の娘がいっしょに住んでいるのです。

「ご免よ」

「あ、銭形の親分さん」

平次が葭簾の中に顔を突っ込むと、お銀は少しあわてて飛んで出ました。二十一、二、年増と言って宜い女ですが、何んとなく、蒼く引締って、濃い陰影のある女ですが、感情が激発すると、パッと咲いたように華やかになる不思議な顔の持主です。

すべてが細々として、頼りないようですが、どこかに強靭なところがあり、考えようではスポーツ型とも言えるでしょう。花時は五六人の雇人をおくのですが、葉桜になるとお松とたった二人、淋しいような暮しです。そのまたお松というのは、不きりょうで無口で、ちょいと扱い悪い女、こんなのがお銀の持っているらしい、暗い秘密の保持には必要なのかもわかりません。

「逢ったことはない筈だが、俺を平次と知っているのか」

「あら、銭形の親分を知らない者はありゃしません。江戸中の人で」