Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
私、クレテに言い付けて、丈夫な函を作らせようと思っていますのよ……何年たっても何十年たっても、水の透らぬような浮き函を……」
「…………」
「そうしたら、貴方のお国の言葉で、貴方は書いて下さいますわね? この函を拾った方は、どうぞ私の姉のところへお届け下さるようにと……そのお礼には、函の中の宝石をお取り下さるようにと……私、函の中へ、ミレネアの花瓶も……エスキリネの鏡も……金も銀も宝石も一杯に入れておきますわ」
「…………」
「私、貴方のために鵞ペンをたくさんに削りますわ。奴隷のアヌッスに言い付けて、紙草もたくさんに拵えさせましょうね。……渦の中に何年捲き込まれても、何十年捲き込まれても、そして流れて流れて、何年かたてば……何十年かたてば……」
と、夢見るように恍惚と、彼女は呟くのです。
「海が連れてきた幸福を、どうして海がまたお姉様のところへ、連れて行ってくれないことがあるでしょう?」
「おお、貴女は何という優しい、そして賢い方なのでしょう」
と、深い深い感動と歓喜が込み上げて、私は覚束ないこの国の言葉では、口をきくことさえもできなくなってしまったのです。