Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
「どうして貴方はそんなにお淋しそうにしていらっしゃいますの?」
とロゼリイスが静かに側へ近付いてきました。
「貴方がいらして下さってから、こんなにも楽しくなって、みんな喜び切っていますのに……どうして貴方おひとりはそんなに淋しそうな顔をしていらっしゃいますの?」
「貴女や御父様のお陰で、こうして幸福に私は毎日を送っていますけれど、何にも知らずに姉がさぞ私のことを案じているだろうと……故国にいる姉を、また、今、想い出していたところなのです……」
「…………」
気の毒そうに眼をしばたたいて、ロゼリイスは頷きました。私が姉上、貴女のことを考えて暗い面持さえしていれば、優しい彼女はいつも同じように胸を痛めていてくれるのです。そして黙ってしばらくは、岸の桃金花を折って花綵を拵えていましたが、
「一度、私、貴方にお話してみようと思っていたのですけれど……」
と、独語つともなく、私に話し掛けるともなく恍惚としたように言い出すのです。今拵えた花綵を池の水際に浸していましたが、それが水の中から咲き出たように漣に揺られて、二つにも三つにも屈折して見えました。
「奴隷のクレテは、この国切っての函作りの名人と言われていますわ……クレテの作った函は、何年たっても、何十年たっても決して水が洩らないと言われていますわ。