Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
「まあ、お掛けになって」
と未亡人は、そこの椅子を指し示す。自分も肥満した身体を掛けながら、
「少し考えがありますから、国家警察局にも都市警察庁へも、どこへもまだ届けてはありません。わたくし共は、少し王家の続き合いになってるものですから、こんなことで王室に、御迷惑をおかけしたくもないと思いましてね」
と妙なことを言い出してきた。
「しかし、盗まれたものはどうあっても、取り戻さなければなりません。御婦人の探偵では、心細いと思わぬでもありませんが、ここは一つあなたに全力を尽していただこうと思いましてね」
そうら、始まった! と嬢は苦笑した。一億クローネの頸飾りの盗難は公爵家にとって痛事には違いなかろうが、婦人の探偵なるが故に心細いといわれるほど、彼女にとって不愉快な侮辱はない。
それほど頼りになる探偵が御入用でしたら拳闘家崩れの耳欠け鼻欠けでも、お頼みになったらよろしかったでしょうに! と、皮肉の一つも言いたくなってくる。
「何もわたし、女だてらに好き好んで、探偵なぞになったわけではありませんのよ。別段この仕事に、意義を感じてるわけでもありませんし……ただ……父が亡くなったもんですから」