Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
と一瞬嬢は口籠った。
「やっぱり探偵だった父が、たくさんの負債を遺して亡くなったばっかりに、この仕事以外ではお金が返せそうもありませんし……それでいつの間にか、ズルズルとこんな鑑札なんぞ、つけてしまいましたのよ」
とやや羞い気味に、幾分愁然と上衣の内側を裏返して見せた。そこには、拳銃使用の許可証と同時に、丁抹内務大臣によって下付される、王冠と獅子と白鳥を組み合わせた銀の小型の探偵章が、燦然と煌いている。
「そういうわけで、一つ存分に、お骨折り願って……いかがでしょう? こちらにもちょっと見当をつけてるところはありますが、取り返して下さる自信は、おありでしょうね?」
「ハ、お話を伺ってみなければ、ハッキリした御返事も申し上げられませんけれど、……わたくしできるだけのことはいたしまして」
「できるだけのことなぞと、そんな頼りない御返事では、困ります。できてもできなくても、必ず取り返してやる……と」
と肥大な二重頤の眼が底光って、強いの強くないの、まるで我の中から生まれてきたような婦人であった。
「……いかが? アイネス嬢、ハッキリと引き受けてもらえましょうかね?」