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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

を執って、踊りながらどうして麻酔剤をおかけになることができるのであろう? ……考えてきて、それはまんざらできぬことでもないと、夫人は思案した。殿下は丈が高くて自分は殿下の肩のあたりくらいまでしかない。もし殿下が胸のポケットにでも、ゴム球か何かへ入れて麻酔剤を忍ばせておかれれば、殿下自身には何の危険もなくて、ステップを踏むごとに発散するクロール・エチルを、自分だけが吸い込むことになる。

では、それで麻酔を嗅がせることはできるとしても、それならばたとえ眩暈だけは覚えていても、大体の意識はハッキリしていたのにどういう方法でそれだけの早業を、――頸にかけ腕に巻いているものを取り去って、後へ同じようなものをつけておくという早業ができるのであろうか? 殿下はすでに、自分とは二、三回も宴席を共にして、邸へも一度、お見えになったことがある。そうした時に、腕環や頸飾りを御覧になって、ちゃんと偽物を御用意になっていられたのであろうか?

今日まで人一倍殿下をお慕いしていただけに瞬間夫人の心には憎悪が、たぎり立った。

「エステル!」

と噛みつかんばかりの声を出して、じだんだ踏んだ。