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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

伯爵邸の豪勢さには較ぶべくもないが、さすがに王弟のお住居だけあって、質素でこそあれ普通民家としては相当の広さを持っているように思われる。砂利を敷き詰めた門内の坂もかなり長く、二階建ての、暖炉の赤煉瓦煙突が三本も四本も屋根の上に突き出ている。

「もし、どちらへ行かれますか? ここは、フィリップ殿下のお住居ですが」

猩々緋の絨毯を敷き詰めたホールへ躍り込むと同時に、背後から呼び留められた。

「フィリップ殿下に……フィリップ殿下に……わたくし、殿下にお眼にかかりたいのです、大急ぎで。お耳に入れたいことがありまして……」

「お気の毒ですが、殿下は今日はどなたにもお逢いになりません。少しお差し支えがありまして」

「特別の用事があって、大至急、お眼にかかりたいのです。ステーンセン伯爵のことでと仰有って下さいませ」

「どちら様で、いらっしゃいますか?」

「わたくし私立探偵の」

とポケットを掻い探った。

「イングリード・アイネス……殿下に伺ってみて下さい……伺って……」

「何と仰せられますか、伺ってみましょう。しばらくお待ち下さい」

名刺を盆に載せて、家職が正面階段を上ってゆく。