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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、姉も少し出してくれるはずになっています。ですからこれができ上ったら劇場の名前には姉の名を冠せるつもりでいます」

「あなたはそんなお金持なのですか?」

「別段金持ではありませんけれど」と少年は微笑んだ。「でも、それくらいのお金はあるのです」ときた。しかも驚くべし、この八万六百円のお小遣いの少年は平然として、その辺に掲げられてある宝塚の女優の四つ切りブロマイドの額を見上げている。

「では、MR・シュータン! あなたは、そんな劇場や何かの研究で日本へ来たんですね」

もう惰性で口だけを動かしているようなものであった。負けず小夜福子の写真を私も睨み上げる。

「いいえ」と八万六百円は涼しい顔をした。「私は学校へはいりに来ました。桐生の大学へ。桐生の大学は紡織と染色では私の国にまで響いています。独逸のフランクフルトアムマインの大学よりももっと響いています。独逸語を知りませんから、どうせ新しく言葉から習って掛かるのならばと思って日本へ来たのです。私の国は今その技術を、非常に必要としています。私がそれを覚えて帰れば貧しい者たちにもそれだけ生活の分野を拡げてやることができるのです」