Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
と太子は別室へ退かれたが、太子の姿が扉の奥へ消えるのを待ちかねたようにしてシャアは私の椅子に身体をのし掛けてほとんど顔を押し圧けんばかりにして声を潜ませた。
「大使館方面への思惑もありますので当分太子殿下の御身分はあなた一人のお胸に止めて、どなたにも内密にしておいていただけませんでしょうか? 折り入ってお願いしておきたいのですが……。御存知でしょう? 先程もグレーヴス二等書記官が訪ねてまいりましたことを……」私は凝乎とシャアの眼を見ながら頷いた。「お国へまいっておりましても、どこにどういう眼が光っているかわかりません。私たちはなるべくお国に在留している自国人たちにも太子殿下をお逢わせしないようにしているのです。殿下の日本御滞在には、大使館方面であまりいい心証を持っておりませんから――それがよくわかっておりますから、くれぐれもお願いしておきたいのですが」
「…………」私はもう一度頷いた。そして、「MR・カパディアにも?」と聞いてみた。「NO! NO!」と、シャアは破顔した。「あの人は私たち同様、太子殿下の奨学金で学校を卒業した人です。家を探したり女中を雇ったりすることもみんなあの人に頼んであるくらいですから、あの人に御懸念は決して要りません」