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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

八

その瞬間私の肚は決まってしまったのであった。智恵も学問も富も充分に持ちながら、ただ亡国の民となっている悲しさに自分たちの熱愛している主人を奪われながらもなす術を知らぬこの哀れな印度の友達たちの暗い心が、またぞろ私の気持を馬車馬みたいに駆り立ててしまったのであった。そしてもう一つは私を信頼していてくれるあの少年太子がさぞ味気ない日々を送っていられるであろうと思うことが私の心を手負いの猪のように、またぞろ身のほど知らずに飛び立たせる決心をさせてしまったのであった。やがて暇を告げた印度人たちの姿が垣根の向うに消えると、襖の陰に隠れていた子供たちは安心したように抜き足をして座敷の中へはいって来て、重なり合ってそっと私の膝に腰を下ろしたが、二人の腕白の頭を撫でながら凝乎と考え込んでいると、ふだんはついぞ頭に泛んだこともない立派な国体のこの日本に生を受けた私の子供たちの幸福さがこの時ぐらいしみじみと有難く胸に味わわれてきたことはなかったのであった。

八

が、私の家から引き揚げた後でまた何かの事情から相談が変ってきたのであろう。その翌る朝まだ床にいるうちに私の所へはカ氏署名の速達が配達された。