Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

見る見るシャアの頬には迸るような喜色が泛んで、泣かんばかりに引き締めた表情で頭を下げた。

「ではよく来て下さいました。MR・タチバナ、あなたもお身体をお大切になさって!」

「殿下! 私はお発ちになる前にもう一度船までお見送りいたします」

「私は……日本の国を思い出す時にはきっとあなたのことを思い出します」と太子はもう一度あと戻りして私の手をしっかりと握られた。そしてそのままつかつかと足速に扉の方に近付いて私の方も振り向かれずにそのまま闥を排してしまわれた。

「…………」呆気に取られた私が、急いで扉を排した時に、一瞥でなぜ太子がああも急いでいられたかが飲み込めた気持がした。書記官なのか訳官であるのか、顔は見えぬからわからなかったが、二名の大男の英人が、私に背を見せて、今奥の方に立ち去って行かれる太子の後ろに随き従っているのであった。英国大使館では、おそらく身分の高い太子殿下に敬意を表して、警固に付けておいたと弁解するであろう。しかし大使館当局がなんと詭弁を弄そうともこの瞬間私の目撃したものは、英国大使館はナリン太子を待遇するに鄭重なる「囚人」の礼をもってしていたことを私はこの眼でハッキリと意識したのであった。