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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

「スティンゲル君、これは困ったな。容易ならぬことになってきたぞ! せっかくここまで命冥加に生き永らえてきたのに、このまま南極へ流されてしまうのは実に残念だ! 何とかうまく艦を潮流から出してしまう工夫はないだろうかな!」とルドウィッヒ大尉もスティンゲル大尉も随分気を揉んでいるようではあったが、どうとも仕様のないことであった。しかも、首尾よくこの主流を乗り切ったからとて、その先にはもう一つ北上している支流が、横たわっているのであった。この舵を損傷している艦で、潮流二つも重ねて横断するなぞということは、考えるまでもなく絶対に不可能なことであった。なんともがいても諦めなければならぬことであった。成るがままに任せておくほかには、まったくテのないことであった。

しかもこの間にも、艦はいつの間にか南緯四十度の線も越えてしまったとみえて、はたして次第次第に強い西風が吹き募ってきた。潮流はこの暴風圏をさらに南へ南へと下ってゆくのであったが、艦の南下に従って風はいよいよ吹き荒れてくるばかりであった。そして強い風に揉まれるたびに、いまでは舵のまったく利かなくなってしまった艦は、ギリギリと逆転し、また強い風に揉まれてはギリギリと舞い、そのたびごとにさしも堅固に装うた装甲鉄板が、今にも砕けんばかりに軋みを発するのであった。