Japanische Klassiker mit Furigana
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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
Lesen Sie 江戸前の釣り (えどまえのつり) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.910 Zeichen · 214 Bildschirme
その渡月橋の土手に茶店がある。入漁料は一日五十銭であったが、その茶店に「お席料お心持ち次第」と張り紙してあったのも珍しい。
「東京のお客さん、よくきてたもうたなあ、ばばあが待っていた」
と、知れきったお世辞をいうのも京都らしかった。
フナの三間ズキ竿を持って行ったので、蚊針荒巻きの八ツ橋でアユのドブ釣りを始めた。五寸までの若アユが六十何尾。ちょうどその日が解禁日、針があたったので、おもしろいほど釣れる。
二人ともチョンマゲの弥次喜多のような衣装で、尻をまくって膝まで立ち込み、夢中になって釣っていると、渡月橋の上から助監督が、
「撮影が始まりますから早くきてくださーい」
と、大声でどなるので、初めて気がつき、橋の上を見ると黒山の人だかり。われながら面目なかったが、釣ったアユを一座の連中に塩焼きにして食べさせてやった。
渡月橋の土手に長い竹竿が立ててあり、その先に、小さな茶色の旗がついていて、「茶をくらえ」と書いてある。
京都は言葉のていねいなところと覚えていたが、この旗は何だと聞くと、昔の野立ての旗ですと教えてくれた。さすが京都は茶どころだなあ、と思った。