Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えどまえのつり

江戸前の釣り

三遊亭 金馬

Lesen Sie 江戸前の釣り (えどまえのつり) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.910 Zeichen · 214 Bildschirme

Aozora Bunko

「渡月亭」という宿があった。昔、深草の里に「雀のお宿」という昔話のような家があって、口笛ひとつで何百羽の雀を一時に集めた人があったというが、この渡月亭の主人は、鶯の鑑賞家である。

今でこそ「江戸鶯でないと文字口という本音は聞かれぬ。京都鶯は藪育ち、カナ口でなまりがあっていけねえ」などというが、元禄時代、上野寛永寺御院主が、京都から声のよい鶯を三千五百羽とり寄せて、上野の山の近所へ放したもの。鶯谷、日暮里、初音町と風流な名まえがついている。

やよかにも御鶯よ寛永寺

ぼくも多少は鶯が好きなので、ほめてやると、

「鳴き合わせ会で一等を取ったのです。ぜひ聞いてください」

と、枕もとに鶯の鳴籠を五つ、六つ並べられた。ひと晩中、かわるがわるホーホケキョ、ホーホケキョで寝つかれず、あくる朝、活動屋さんに、ほかの宿屋と替えてくれといったところ、

「ずいぶん偉い俳優さんがきても、この宿に泊まっていただくのですが、どこがご不満なのですか」

という。

前の晩、鶯をほめた手まえもあり、まさか「鶯がうるさくて寝られない」ともいえず、とんだ無風流浮世床とはなった。

奥多摩へアユ釣りに行く日には、必ず伝書鳩を持って行く。