Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
しかも今日をどういう場合だと心得ている。怪しからぬ奴だ」
正造は顔を赤くして大きな声でどなりだした。そのけんまくに驚いて恒吉は黙ってしまったが、源八が傍から、
「田中さん、そう私等に怒っても仕方ない」
と苦笑するのを、正造は三角の目を向けてキッと睨み返し、やがてようやくわれに返ったように肩を落して、
「いや、どうも……。お前さん方を怒ったわけではないが、そういう話をきくとわしはついカッとするので……。それで、この村にもそんな永久に苦情をいわぬなどという契約に判を捺した者がいますか……」
「一人か二人はあるかと思います」恒吉はちょっと正造の顔を盗み見て次をつづけた。それがその欺きかたもいろいろで、足尾銅山はもう鉱脈が絶えてあと一年ぐらいしかもたぬから、今のうちに二円でも三円でも取れば取り得だ。お前だけに内証で話すが、などともちかける。それでもいうことをきかず、金をとらぬ、判を捺さぬというと、今度は脅嚇する。無頼漢に酒を飲まして差し向けてよこす。ついに二三日前にもこんなことがありました。この先の横塚吉五郎という人ですが、夜、家の外へ呼びだされて無頼漢に撲られたそうです。