Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島詣 (ゆしまもうで) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.004 Zeichen · 122 Bildschirme
二十九
子持の母も芸で通り、馴染の座敷では小女が連れて来ると、背後を向いて、三味線を下に置いて、懐を開けて乳房を含ませるという境遇であったが、誕生を済して、蝶吉がようやく立って歩くようになると、根岸では、父が病の床に倒れたがまた起たなくなった。
越えて三歳になる時、母親は蠣殻町の贔屓客に、連児は承知の上落籍されて、浜町に妾宅を構えると、二年が間、蝶吉は、乳母日傘で、かあちゃん、かあちゃんと言えるようになった。
二十九
それもしばらく、米屋町は米の上り下りで人間の相場が狂い、妾宅の主人は大失敗で、落魄して、最後に一旗という資本がないので、心まで淋しくなり、蝶吉の母に迫って、その落籍しただけの金員耳を揃えて返せという。
蝶吉の母は根岸の情人が亡なってから、世を味気なく、身をただ運命に任せていたので、いうことに逆らわず、芳町から再勤したが、足りない金子は、家財を売って、それでもまだ償われなかったので、蝶吉を仲之町の大坂屋というのに預けた、年期が十三年。
廓の抱妓の慣例として、色はきっと売らさぬ代り、芸事にかけてはいかなる手段をもって仕込んでも差し支えはない、少々痛いおもいをさせてもという口約束をしたのであるから、そのせたげようと云ったら方外な。