Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lesen Sie 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.213 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうだ! 死んでたまるものか。――だが貴様が生きているとは思わなかった。イヤ、俺さえ助かったのが夢みたいだ」

「何を隠そう、今だから言うが、実は拙者は、この春、単身この含月荘へ乗りこんで、見事に大村父子や玉枝の秘密をつかんだのだ」

「ウム、ではここの先陣は、貴様だったのか」

「ところが、かえって、悪人ばらの陥穽に墜ちて、この炭焼小屋の竈の中に抛り込まれて、彼奴等の眼前で、蒸焼きにされてしまうところだった。――それをここにいる作兵衛が、際どい瞬間に、拙者の体を、竈から出して、人間の身代りに、この小屋に飼われていた猿を抛りこんで火を放けたのだ。猿が、中で暴れるのを、俺が苦悶するものと思って、彼奴等は、凱歌をあげて引き揚げた。それから後、おれはこの小屋に、樵夫となって同居しながら、含月荘の探索をつづけていた……」

「だが、どうして、老先生の百日の期限のことまで、分ったのか」

「江戸の事情は、また審さに、問い糺す人間が、この小屋へ戻って来たのだ。今、それにも引き会わせるから、こっちへ来い」

黄門公下山

加山は昂奮して、疲労も何も忘れていた。

八弥と作兵衛爺の後に尾いて、薪小屋の中へはいってゆくと、そこに、一人の男が、後ろ手に縛りつけられていた。