Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lesen Sie 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.213 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

二度追放

「言いようのないご無礼をして、このままでは心苦しい、お詫びのつもりで」

と、構わずいっしょに歩きだした。

橋を渡って、八官町の旗本町まで来ると、花世は礼をのべて、とある門の袖潜りを静かに開けて、中へ姿を消してしまった。そこはたしかに、大番組御書院方、富武五百之進の邸にちがいない。

「むむ……どうも解せない。あの美しい姿は、いったい一人なものか、二人なのか、何だかおれには分らなくなってしまった。といって……この事ばかりは老先生に訊くわけにも行かないし……」

塀にもたれて、考えこんでいると、奥ふかい邸の木の間からみやびた八雲箏の音が、良人恋しと弾くように洩れてきた。

二度追放

「お! この事にばかり心を囚われていては果てしがない。唖の方の結果も心配だ」

彼は気がついて、大急ぎで、伝馬牢へ引っ返してきた。――詰所をのぞいてみると、

加山も波越もまだ戻っていない。

「さてはうまく行ったな」

と、いささか慰めていると、そこへ牢番同心がのっそりとはいって来て、妙な顔をして鬱いでいる。

「おい、どうした」

と、少し弾んだ声で慰問すると、牢番同心は、初めて気がついたように、