Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
荻生さんは買って来た大福餅を竹の皮包みから出してほおばる。そこの小路にガタガタと車のはいる音がして、清三と母親の顔が見えた。
車力は繩をといて、荷物を庭口から縁側へと運び入れる。父親と荻生さんが先に立って箪笥や行李や戸棚や夜具を室内に運ぶ。長火鉢、箪笥の置き場所を、あれのこれのと考える。母親は襷がけになって、勝手道具を片づけていたが、そこに清三が外から来て、呼吸をきらして水を飲んだ。
母親は手をとどめて、じっと見て、
「どうしたの?」
「少し手伝ったら、呼吸がきれてしかたがない」
「お前は無理をしてはいけないよ。父さんがするから、あまり働かずにおおきよ」
このごろ、ことに弱くなった清三が、母親にはこのうえない心配の種であった。
やがてどうやらこうやらあたりが片づく。「こうしてみると、なかなか住心地がいい」と父親は長火鉢の前で茶を飲みながら言った。車力は庭の縁側に並んで、振舞われた蕎麦をズルズルすすった。
清三と荻生さんは二階に上がって話した。南と西北とがあいているので風通しがいい。それに裏の大家の庭には、栗だの、柿だの、木犀だの、百日紅だのが繁っている。