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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

青空に浮いた白い雲が日の光を帯びて、緑とともに光る。二人は足を投げ出して、のんきに話をしていると、そこに母親が茶をいれて持って来てくれる。大福餅を二人して食った。

夜は清三は二階に寝た。久しぶりで家庭の団欒の楽しさを味わったような気がする。雨戸を一枚あけたところから、緑をこしたすずしい夜風がはいって、蚊帳の青い影がかすかに動いた。かれはまんなかに広く蒲団を敷いて、闇の空にチラチラする星の影を見ながら寝た。母親が階段を上って来て、あけ放した雨戸をそッとしめて行ったのはもう知らなかった。

翌日は弥勒に出かけて、人夫を頼んで、書籍寝具などを運んで来た。二階の六畳を書斎にきめて、机は北向きに、書箱は壁につけて並べておいて、三尺の床は古い幅物をかけた。荻生さんが持って来てくれた菖蒲の花に千鳥草を交ぜて相馬焼きの花瓶にさした。「こうしてみると、学校の宿直室よりは、いくらいいかしれんね」と荻生さんはあたりを見回して言った。親しい友だちが同じ町に移転して来たので、なんとなくうれしそうににこにこしている。寺の本堂に寄宿しているころは、清三は荻生さんをただ情に篤い人、親切な友人と思っただけで、自分の志や学問を語る相手としてはつねに物足らなく思っていた。