Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
不良と善良
「なんですか?」
「昼から一番槍をしちゃいけません」
「はあ。わかりました」
「しかし競争はしなければいけません」
「はあ?」
「釣るまねだけはするんです」
「しかし魚が食いますから釣れると困ります」
「いや、若様がお釣り上げになるまで餌をつけないで釣るんです」
「ははあ、なるほど。ははあ、なるほど」
と正三君は感心してしまった。
不良と善良
「ふうむ。なるほど。ふうむ」
と安斉先生は感嘆これを久しゅうして、
「考えたものだな。ハッハハハハ」
と呵々大笑した。
「それで昼からは若様が一番槍でございました」
と正三君は餌なしの秘法を説明したのだった。別段いいつけ口をするのではないが、安斉さんは若様がたご指導上の参考としていろいろとたずねる。
「ごきげんでしたろうな」
「はあ」
「それからきみが釣ったかね」
「いいえ、昼からはちっとも釣れません」
「そんなにいつまでも餌をつけなかったのですか?」
「いいえ、本気になったんですが、だめでした。私は初めてですから、それがあたりまえです。朝のは魚の方でまちがえたんだって杉山さんがおっしゃいました」
「あれはへつらい武士で困る」
「しかし若様はほんとうにおじょうずです。