Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
「これは取らないでおくと倍にも三倍にもなって今に博覧会へ出せる」
と細井君も保存説を主張した。
「はだかになってやればわけはないんだけれど、取ってしまえばもうおしまいだぜ。あんまり大きいから惜しいよ」
「こんなりっぱな家をこしらえているものを宿なしにしちゃかわいそうじゃないか?」
と巣をほめてばかりいる。ナカナカりこうな子供だ。細井君は一度口笛をふきながらやや近くまで忍びよったが、あわてて戻ってきて、
「見たまえ。みんなじっとして考えていたろう? 口笛がこわいんだ」
と説明した。どっちがこわいんだかわからない。つぎに高谷君は、
「広いなあ、花岡さんのところは。なんかして遊ぼう」
とまったく別のことを発起した。
夕刻、高谷君と細井君が帰ったあと、正三君は学監室へ呼びこまれた。
「内藤君、今日遊びにきた子供は同級生ですか?」
と安斉先生がきいた。
「はあ」
「成績のよい子供ですか?」
「さあ。よく存じません」
「むろん身許はわかりますまい?」
「はあ。僕ははいったばかりですから」
「お学友には特にあなたを選んであるのですから、たとい同級生でもうさんなものをおやしきへ連れてきてはなりませんぞ」