Japanische Klassiker mit Furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
「なあに大凡そは分っています。しかしこりゃあ要さん、私に云わせると、一体あなたが悪いんだね」
はっとした要が何か云おうとするハナを抑えて、老人はすぐに後を被せた。
「いや、悪いと云うと穏やかでないが、つまり私の考じゃあ、あなたがあんまり物を理詰めに持って行き過ぎたんじゃないか。何も当節のことだから、女房を一人前の男なみに扱うのもようがしょうが、なかなかそれが思い通りには行かないもんでね。早い話が、あなたは自分に資格がないからと云う訳で、試験的に外の夫を選ばせた。こりゃあどうして出来ないことだ。口で何のかのと新しがりを云ったってそれだけ公平にはやれるもんじゃない。………」
「そう仰っしゃられると、何とも僕は申し上げようも………」
「いや、要さん、私は皮肉を云っているんじゃないんですよ。ほんとうに感じ入っているんですよ。これが一と昔前だったら、あなたがたのような夫婦は世間にいくらもあったんで、私なんぞが現にその通りだったんだが、………いやもう、一年や二年どころじゃあない、五年も女房の傍へ寄り付かなかったくらいなもんだが、それでもそう云うものだと思って済んでいたんで、考えてみりゃあ今の世の中は大そうむずかしくなっていますよ。