Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

「で、どうする今日は? 真っ直ぐ僕の家へ来るか」

と、彼は別なことを尋ねた。

「どうしてもいい。大阪に用があるんだけれど、今日でなくっても差支えない」

「じゃ、一と先ず落ち着いたらどうかね」

「美佐子さんは?」

「さあ、………僕が出かける時までは居たが、………」

「今日は、僕を待っていやしないか」

「或はわざと気を利かして出たかも知れんね、自分がいない方がいいと云う風に、―――少くともそれを口実にして」

「うん、まあ、それは、―――美佐子さんにもいろいろ聞いてみたいんだけれど、その前によく君の方の腹をたしかめて置く必要があるんだ。いったい、いくら近しい間柄でも夫婦の別れ話の中へ他人が這入るのは間違ってるんだが、君たちばかりは自分で自分の始末が付かない夫婦なんだから、………」

「君、昼飯は済んでいるのか」

と、要はもう一度別なことを尋ねた。

「いいや、まだだ」

「神戸で飯を食って行こうか、子供は犬がいるんだから先へ帰るよ」

「小父さん、犬を見て来ましたよ」

そう云いながら、そこへ弘が戻って来た。

「素敵だなあ、あれは。まるで鹿みたいな感じだなあ」

「うん、走らしたら非常に速いぞ。