Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

「自分でもそれは認めているの。―――でも今日はいいのよ、高夏さんがいらっしゃるからってそう云ってあるの。―――第一お客さまを放って置いちゃ、このお土産に対しても失礼だわ」

「よくそんなことが云えるなあ、昨日は一日いなかった癖に」

「昨日はそりゃあ、要が話があるだろうと思ったから。………」

「それじゃ今日は奥様デーか」

「とにかくあっちの日本間の方へいらっしゃらない? あたしお腹が減っているのよ。上らないでもあなたも見物に来て頂戴」

「帯はどれにきめるんです」

「まだきめてないのよ。あとでゆっくり見せて戴くから、店を拡げてお置きなさいよ。―――あなた方は御飯が済んだんだからいいでしょうけれど、あたしはペコペコなんだから。………」

梯子段を降りしなに階下の洋室を覗いて見ると、要はいつかヴェランダから其処へ移ってソファへ仰向けになりながら、まだ熱心にさっきの本を読みつづけていたが、廊下づたいに日本間の方へ行く足音に、

「どうしたい、いいのがあったかい」

と、気のなさそうな声をかけた。

「駄目なのよ。高夏さんは。お土産お土産って触れ込みばかり大きくって、そりゃあしみッたれなんだから」