Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
金太はあわてて注を入れるのです。
気がついて見ると、居間には行燈がついて、家の中をほの明るく照らしているのでした。
「八、たんすだ」
平次は次の間に飛び込みました。かつてお栄が捜していた古だんすを置いてあった部屋、その疑問のたんすは四つ抽出しことごとくを抜いて、部屋いっぱいに中味を取乱しているのです。
「これになんかあったんですか、親分」
「お栄が命がけで中味を捜していたたんすだ。一万二千両のなぞか四人殺しのなぞがこの中にあるに相違ないとおれはいったろう」
「?」
「多寡がたんす一つだ、たたき割って板一枚捜してもたいしたことはなかったのに、おれはそれにも及ぶまいと思って、ツイ油断したのだよ」
平次はそういううちにも、四つの抽出しの一つ一つを、恐ろしく念入りに調べ始めたのです。
「ない、何んにもない」
暫らくして平次の挙げた顔には覆うべくもない失望がムラムラと動きました。
「まだ胴殻があるじゃありませんか、捜してみましょう、親分」
「一々板をはがすわけにも行くまい。かなづちでたたいてみろ」
「よし来た」
それは大変な騒ぎでしたが、少しの油断で大事な品は曲者に持って行かれたらしく、たんすを引っ繰り返して捜したに拘らず何んにも得るところはなかったのです。