Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「?」
「放って置くがいい。いくら掘っても砂利が出るだけだ」
「でも、あれが二十六本目の桜でしょう、親分」
八五郎はまだ口惜しそうに、小判掘りの作業を見ております。
「先刻もいったじゃないか、――あの紙片の謎の文句には、俺が細工をしてある――と」
「ヘエ?」
「十六とある上に、二の字を一字書き添えただけのことさ。本物の小判の箱は、ここから桜を算えて十本、水戸様の方へもどるのだよ」
「ヘエ」
「それ、これが十六本目のさくらだ。十六の二とあるのは、二尺先を掘るのじゃない。釣り場にしてある石垣の二つ目の石を動かすのだ。近江屋半兵衛は釣り道具しか持っていないのだよ。人目に立たぬように、小判を隠し場所へ蔵い込んだことを考えるがいい」
平次はそういいながら、手頃の石を少し動かすと、それは他愛もなく転って、その跡にツイ今しがた綾瀬で見たと同じような穴があき、穴の奥にはやはり大きな箱が、黄金環を滑り込ませる穴を見せて、粛然として横たわっているのです。
鉄の牛の鼻ぐりがここでも役に立ちました。箱の中から取り出した風呂敷包の小判は、ここでもざっと二、三千両、箱が空っぽになると、もとのように扉を閉ざし、土を直して、小判と人を載せた船は、両国へ下ります。