Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「――」

「このまま表沙汰になれば我々二十八人の者、腹を切らないまでも重いお咎めは免れない。その上尾州一藩の名折れとも相成る」

「――」

「折入っての願いだが、平次殿。盗まれた御用金一万両を奪い還して、我々二十八名の面目を救っては下さらぬか、この通り」

大橋要人以下三人の武家は、畳に手を突いて、平次に頼み入るのです。

「ヘエ、そのごあいさつでは恐れ入ります。どうぞ手をお挙げ下さい」

「平次殿、聴き入れて下さるか」

「聴き入れるも聴き入れないもありません。あっしがわざわざやって来たのは、皆さんのガン首が心配になったので――」

「ガン首?」

「まア、出来るだけのことはやって見ましょう。いったい旦那方のような立派な御身分の方が、怪し気な泥棒を相手に、腕比べや智慧比べをなすったのが間違いの因だったんで」

「?」

「人間がどんなに威張ったって、かけっこをしちゃ、馬や犬にかなわねえようなもので。泥棒の悪企みにかかっちゃ、六韜三略も軍学兵法もだらしがねえわけで」

「なるほどな」

「御歴々がコソ泥棒に勝ったところで、自慢にも誉れにもなるわけじゃございません。餅は矢っ張り餅屋で、最初からこの一万両を町方にお任せ下されば、何んの苦もなく市ヶ谷御上屋敷へお届けするはずでございました」