Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

二枚の手札

岡持に入っていたのは料理だけ――それに間違いはない」

こういう言葉には寸分の間違いがあろうとも思われません。

「この門をだれでも入るわけではないでしょうな」

平次は訊き返しました。

「申すまでもない。当蔵屋敷の者、尾州御藩中の方以外は、出入り町人の手札がいる、これじゃ」

老人は門番の控え部屋から、一枚の手札を持って来て見せました。小判形の檜の札に、焼印を捺したもので、裏には松の八番と墨で書いてあります。

「昨夜の女五人と男二人も、それを持っていたのでしょうな」

「手札のない者を、ここを通す筈はない。夜分はわけても厳重じゃ」

「すると?」

平次は口を緘みました。出入り商人の手札を八枚、曲者どもはどうして手に入れたか、平次も暫らく見当がつかなかったのです。一枚や二枚の手札なら、それは随分融通するとか、拾ったとか、永い間には間違いもあるでしょうが、八枚という大量の手札は、曲者がどんな手をまわしても、容易に利用の出来るはずはありません。

「屋敷の中に、手引きをした者がありゃしませんか」

八五郎は平次の耳にささやきます。

「あるだろう。いやきっとあるに違いない。が、町人の家と違って、大名屋敷は調べようがない。