Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
彼ひとりに対して一方はまるで戦争支度なのだ。当の又七郎が年少であったにせよ、死を与えたのはやむを得ないと思う。年齢でいえば武蔵だってまだ二十一か二であったのだ。
この時の実状を伝えたものでは、武蔵伝に対して、それを反駁的に逆に書いている「吉岡伝」という一本がある。
僕はその抄出を他の書で読んでいるだけで、実物を手にしたことがないから、著者福岡某がどんな人物で、どんな書質か、考究のうえで確ということができないが、伝え聞くところに依ると漢文の小冊子で享保年間の刻になり、吉岡家の剣法を気障なほど称揚しているもので、内容には、九州の天流の名人浅山三徳という者を試合で殺伏し、それを知って挑戦してきた鹿島村斎という荒法師もまた一撃に打ち殺し、やがて宮本武蔵という男も来て立合ったが眉間を打ち破ったので、後日改めて試合をやり直すというわけで別れ、さて愈※(二の字点、1-2-22)約束の日になると武蔵は行方を晦まして逃亡してしまった。
こういった調子の書物である。このほかにこんな記事の載っている書物は一種もない。おそらく武蔵の名声に対して、後の吉岡側の縁類の者でも著述したのではあるまいか。