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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

それというのも、吉岡家は武蔵との三度の試合で、致命的な絶家の形になり終っている。当然そうなったと見るのは臆測でも無理であるまい。もし、吉岡側の系縁の者があって、二天記、その他の諸書が、続々流布されるのを見たら、よしこっちも書いてやるぞといった気になるのはこれもあり得ることではあるまいか。

吉岡伝にあるように、武蔵が約束の日に、逃亡してしまったような事実がないまでも、もし武蔵の行動に、正々堂々がなく、残忍、傲岸唾棄する態度があったなら、当時の時風で、あれほどな権門の一族門人が、彼に手を振らして天下を歩かせて措く筈はない。いくらでも復讐できる。この試合ばかりでなく、武蔵の手にかかって落命した者は無数だろうし、姓名の知れている敗亡者もずいぶんあるので、彼に、卑劣があったら、彼もまた、いつかきっと殺されていたと思う。血縁でなくても、他人でもそういう卑劣はゆるして措かないのが当時の社会である。まして、傲岸、野性残忍というような、人の忌む性格が直木のいうほど武蔵の全貌であったとしたらば、試合といわず、謀んでも彼の生命を仆してみたい気持を当時の人間は誘発されたであろう。