Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
武蔵の円明二刀流の極意もまた、彼自身の書いた五輪書の空の巻の最後にいっている通り、兵法に実相と空相の二つあることを説いて、
空ヲ道トシ、道ヲ空ト見ルベキナリ
と、いっている。
また、兵法三十五ヵ条の終りにも、彼は剣の哲理を、
万理一空
という四文字で筆を結んでいる。
万理一空も、柳生流の「無刀」という極致も、要するに真理は一つところへ合致しているわけである。つまり兵法の最高の理想は武も要らないという境地にあるのだった。
二天記や熊本藩の者の云い伝えに依ると、老年になってからの武蔵は、平常、刀は差していなかったそうである。外へ出る時は、五尺ほどな杖を携えていただけだという。自分も、これがほんとの武蔵らしい姿に思われる。
杖とはいうが、しかしただの木杖ではないかも知れない。大和柳生谷の芳徳寺に残っている柳生十兵衛の杖というのは、一見、柳の枝か何かのように、しなやかに見えるが、杖の芯には、細い刃金が三本通してあって、その上を、雁皮紙の紙捻で実に根気よく巻きしめた物なのである。勿論、杖の先にも、金属がついているから、これを投げれば敵を刺し、これで打たれれば、敵は吐血するであろう。