Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
どこにだって日本中に、ここの地上ほど興亡治乱の駈去った所はあるまい。だから坊目誌の中に、
本阿弥光悦ノ宅趾
実相院町東南部ニアリ
と明記してあっても、別の項でその実相院町なるものを考究すると――五辻通り小川西入る所より堀河東入るまで――などとあって、おまけにその下にまた丁寧に――及び――と付け足してあって、
及ビ、水落寺ト堀川ノ
間五辻上ル所狼ノ辻ト
字ス。――又白峰宮ノ
東横ヲ本阿弥ノ辻子ト
字ス
これで見ると、本阿弥の辻は、白峰宮の辻という別名もあったらしい。何しろとても文字だけでは指さすことは至難である。そこで念入りに寛延版の京師内外絵図と、宝暦版の中京絵図とをくらべてみると、そのどっちにも、本阿弥の辻などという地名はない。字だから記載してないのではなく、その付近の狼の辻子とか、何辻とかいう俗称の地名も載っているのにこの地名はないのである。そして京都はよく、寺院名や公卿やしきの館名などを町名にするので、それが廃されては民家に変り、兵火や震災や種々な流転が地上の相を移すので、従って、現今の近代都市になっては、よけいに僕らには分らないものになってしまっている。