Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
ていたが、外気に触れると間もなく崩れたようになってしまったといって騒いだことは、今にたしかに記憶しております。何分、大きな墓石のこととて、移転は大仕事でした。第一運搬する道から拵えてかかったくらいで、人夫も相当たくさん使いました。当時女人夫は一日八銭、男が十二銭ぐらいであったと覚えております……云々。
甕は二つ出たとある。甕の一つには人間がはいっていたとして、もう一つの甕には何がはいっていたろうか。もしや武蔵の遺品などではなかったろうか。あったとしたらどうしたか。
そういった席上の質問に対して、向井老が答えた所を綜合してみると、はっきりは覚えていないが、宮本家の子孫も親しく立会ったことではあるしするから、遺品などが出たとすれば粗略にする筈はなく、これは多分確かと思うが、新しい甕の中へすべてを収めて、移転した延命寺山に建碑し直す時、新規の場所の地下に埋けたことと覚えている――というのである。
それからまた、先に出た古い大甕の処置については、
(向井老談)
――何か入っていたとは聞いていましたが、それが何であったかは詳しく記憶しておりません。甕だけは、私が些細な代金で買取り、現に私の甥の家にあります。