Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
いま遺っている彼の作品を見て、その画風を一括的にいえば、足利初期以来、北宋末から南宋の影響によって、たちまち、わが日本画界に一つの風をなして来た、あの東洋画独味の墨の絵――溌墨を以て自然に溶け入ろうとする心の絵――呼んで「水墨画」というものである。
それまでの純大和絵的なもの、仏画系の様式は、宋元以来の水墨画の新しい刺戟に依って、まったく一革新の眼をさまされたものといわれる。そして、いわゆる室町画壇の、如雪、周文、霊彩、啓書記、雪舟、秋月などの巨匠を輩出し、戦国期にかけてもなお、雪村、友松、等伯など、おびただしい水墨画の全盛期を見せた。後には、日本画の妙といえば、水墨にあるようにまで、一般化したものである。
画史の上から観れば、武蔵が、水墨画に親しんだのは、その最盛期ではなく、むしろ、気格を一義とする墨画としては、そろそろ内容的には堕落し始めた――水墨画末期であったといってよい。
だから、彼としては、決して流行的な風潮に乗じたのではなく、むしろ、ようやく本来の気韻と精神を失って、技巧化しつつある時流の水墨画にたいして、不満をいだき、やがて自身、技術からでなく、剣を道として悟得したものを筆に托して、直入して行ったものかと思われる。