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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

私にとって、興味をひくほどな物でもなかった。

しかし、それと附随して伝世されて来た一函の書状筥があった。特にそれを納めるべく作ったもので、黒塗の上に、金粉文字で、「島原御陣之節之御書状十六通」という函題が蒔絵してある。

保存がよく、中の書状はみな、奉書折のまま、昨今の物のように思えるほど真っ白である。一通一通見てゆくと、みな島原在陣中のもので、宛名はすべて、有馬左衛門尉直純となっている。乱の勃発した有馬領の当主であり、その最先鉾に立った有馬軍の大将である。

差出人の方の名には、参軍の各将の人々が殆ど見られる。松平信綱、立花宗茂、黒田忠之、寺沢堅高、等々々のうち、とりわけ私がおもしろく思ったのは、山本有三氏が“不惜身命”という作品の中で主人公としている石谷十蔵貞清の書状などがあることだった。彼は幕府の旗本であり、島原陣には、総軍の軍目付という大任をおびて西下していた。

それとまた、後に武蔵が身をよせた肥後の藩主細川忠利の書面も、二通まで、この中に入っている。文言は、各将いずれも、かんたんな戦陣の儀礼的なものでしかなく、内容については、さして、これという程な価値のある物とも思えない。