Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
もっとも晩年熊本へ行ってからは、春山和尚との交友があり、彼のために歿後の碑まで書いているが、これとて生前幾年の知己でもなかったし、その関係も、どの程度か、これについては別項の小倉紀行に書いておいた通りである。
小説の上では沢庵を借りて、その空白を埋めているが、沢庵と武蔵との直接な関係は、文献には見当らない。
私が多年知りたいと念じていたのは、彼が熾な修養時代において、誰か、その方面の啓示を彼に致した禅門の人物があるにちがいない。世俗的な交渉はなくても、心的生活の一面で、心の師とか心の友とかよぶ人があるべきである。そういう宿題を多年抱いていた。
で、最初は沢庵の経歴を緯に、その交友と道業の知人を縦に、つぶさに調べて行ったが、沢庵と柳生家、沢庵と細川家、わけても沢庵と細川家の藩老長岡佐渡、その他京都を中心とする当時の文化人、近衛三藐院だの烏丸光広だの松花堂昭乗だの――とその範囲は驚くべき広汎さをもって出ては来るが、武蔵の名は、その片鱗すらも、遂に見出すことができないのだった。
しかし私が、小説のなかに、沢庵を拉して来たのは、あながちまた、拠り所のないわけでもなく、武蔵の生地と、沢庵の生地但馬の出石とは、山ひとえの背中合せだし、出石から山陽方面へ往来する旅には、常に武蔵の生地宮本村のある竹山城下が、その街道