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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいねんのしさくのために

青年の思索のために

下村 湖人

Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

左文は、歯がみをしながら、最後まで敵を蹴散らしていたが、さすがの彼も、味方の総崩れではどうにも成らず、われ知らず馬をかえして、退却をはじめた。彼が、ただ一騎、とある川のほとりまで来たときには、敵も味方もはるかに遠のいて、あたりは森閑となっていた。

彼は、終日の戦いで疲れきっている馬に水をやろうと、しずかに川岸に馬をすすめた。その時、ふと、彼の眼に映ったものがある。彼ははっとした。暮れかねた水のおもてに、彼の背幟にしるされた文字が、あざやかに浮き出しているではないか。――「一足不去忠野左文」と。

彼は、馬に水をやりながら、しばらく苦笑をつづけていた。そのうちに、日はとっぷりと暮れて、水のおもてには、星がきらきらときらめき出した。と、彼は、急に馬に鞭をあてて暗をいずくともなく走り去った。

それからしばらくの後、彼はただ一騎、敵陣のなかで槍をしごいていたのである。不意を襲われて、あわてふためく敵兵のなかを、縦横無尽に駆けまわって、彼はついに敵将の一人をほふり、その首級を提げて、悠々として引きあげた。

二

世の中をほんとうに動かすものは、旗印でなく、実行である。