Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme
二
その間に、郡水産会の技手、日野亀鶴氏から、いろいろと、前田君についての話をうけたまわったが、それを綜合すると、大体次のようであった。
昭和四年、丁度前田君が小学校を卒業した年、父につれられて、はじめて蛸壺縄の引きあげを手伝った時、そのあまりに劇しい労働を実際に体験して、何とか工夫が出来そうなものだ、と思ったのが、そもそもの動機らしい。その後、少々永びく病気をわずらって寝ていたが、何が幸いになるか解らないもので、前田君は、その病中を寝床の中ですっかり発明の工夫に費したのである。
病気が治る頃は大体の腹案も出来あがったので、起き上ると早速模型の制作にとりかかった。しかしそれには金がいる。前田君としては相当の大金である。父に相談して見たが、てんで相手にされない。相手にされないだけならまだしも、時としては、
「何をぼやぼや考えてばかりいるんだ。」
と、ひどく叱られたあげく、せっかく集めた金具や板片などを取りあげられる。この間の前田君の苦心は随分ひどかったらしい。
しかし前田君はめげなかった。いりこ小屋の隅に道具箱を置いて、父の眼をさけては、こそこそと仕事をつづけた。